治験(後半戦2日目)

朝5:00前、突然サイレンがなり、『火事です。避難してください』という声が響き渡った。なんだなんだと思い、みんなすぐに止まるやつだろうと思っていたが、全然鳴り止まない。さすがに長いので、誰かが荷物をまとめて7階から非常口で下に降りた。それに続いて他の皆も荷物をまとめて下に降りた。

俺は『なんだろう、これ。本当の警報だろうか。もしかしたら治験という特殊な状況下で、病院で火災検知機がなった時の人の心理的特性を調べているんじゃないだろうか……..もしそうなら、5:30まで眠れなかったんだし、報酬金増やしてよ』とか思ってた。

しばらくしたら男性と女性が1人ずつ来て、点呼を始める。途中で男性が『怪我とか体調不良とかがあれば言ってください』と言っていた。そんなところでいちいち言うか。もしあったとしても、金もらえんくなるなら言わん!と思った。

点呼が終わって少しすると、看護師さんが一人来た。看護師さんは、熱感知器が誤作動したのではないか、もう部屋に戻ってもいい、と言った。『なんだそれ。なるほど、誰かのタバコのせいで、おれらは睡眠時間を奪われたってことだな』と俺は思った。さて、報酬金は増えるのだろうか?いや、そんなわけないか。

部屋に戻った時には5:25で、また点呼があって、看護師さんが『やっぱり熱感知器の異常が原因のようです。驚かせてしまって申し訳ありませんでした』と言ったが、全然感情がこもってなかった。もう少し申し訳なさそうに言えよ、と俺は不機嫌だった。

8:30 針を留置する。太い針なので結構痛いし、なにより留置するからズキズキと痛むんだよね、これが。まあ慣れてきたけど。

ここからは飲水制限、そしてベッドの頭の部分を起こされて横になることも出来ない。横になれないのは俺にとっては結構きついんだよね、基本的に普段の生活では、横になるか、立つかだからさ。

とにかく時間があるので、キングダムをどんどん読んでいく。

これがめちゃくちゃ面白い!!ほんと、熱くなるもんがある。

男は戦いに生きることが本望なんじゃないか、とすら考え始めている。命を懸けて、互いの命を奪い合う。こんなに美しくて楽しいことがあるか?…..いや、ない!!俺もこのネット社会を戦って生きよう!

とか思い始めたけれど、実際は注射するのにもドキドキしてしまうヘタレです☆

9:30 女医さんと看護師さんが来て、生年月日を確認される。

9:35 ぴったりに薬を渡され、飲んで口の中を確認される。

前回の薬は、飲むと眠気が襲ってきたような感じがあった。今回はどうなるだろうか。

10:35 針を留置する。まだ採血はしない。

11:35採血

これは良いことかどうかわからないが、注射に慣れてきた。針を刺す時の心構えが大事だ。『うわ、針太いなwこえw』と思っているとどんどん恐怖が増してくるが、『これくらいなんとも無い。戦国時代では命も惜しまず戦ったのだから(←キングダムの影響)』と考えていると楽勝になる。むしろ痛みに耐えることが誇らしく思えてくるほどだ。この痛みに耐えて強い男になり、次のステップに上がれる、ぐらいのことを思える笑

キングダムがめちゃくちゃ面白い。こういう感覚は久しぶりだ。自分の命を懸けて何かをやりたくなるマンガだ。これはもしかすると、自分の人生の中でもかなり重要な本との出会いになったのかもしれない。なんだか、なんだってやれる気がする。

やってやるぞ。

12:35 採血。

キングダムを読んでいて思ったが、偉人にはたいてい凄惨な過去があるものだ。凄惨な時期を経て、自らの憎しみや悲しみを乗り越え、本当に前向きに生きられるようになった結果として、誰もがついてくるような人間の器が出来上がるのだと思う。

13:35 採血。

その後すぐに昼食のゼリー飲料と弁当が運ばれてきた。かなり長いこと腹に何も入れてなかったので、美味かった。それにしても、俺はまあ空腹に耐性がある方だからあれだけども、みんなはどうなんだろう、ストレスに感じているのだろうか?まあ治験に来るくらいだから、そうゆうのには慣れてるのかもしれない。

15:30採血

この時間まで、1時間半ほど寝ていた。変に頭がボーッとする。これは薬の副作用なのかもしれない。眠気の種類が違う、といった感じ。

なぜか好きだった女の子のことばかり思い出す…..

もっと素直になれていたら、もっと気軽に話しかけていれば…..だけどそれが出来なかったのは、喉から手が出るほど欲しかったから。欲しくて欲しくて、手に入らなかった時のことを考えたら怖くなったのだ。それで、声をかけることすらも出来なくなった。

どうすれば良かったのだろうか….いや、わかっている。いまやそんなこと、当たり前にわかっている。

自分を信じれば良かったのだ。たとえどんなに相手が好きでも、へりくだったりすることなんかなくて、ただ素直に、ありのままに、弱くてもカッコ悪くても、ストレートに想いを伝えたらよかったのだ。後悔したって、遅いのだけれど。

16:35 採血。

17:35 採血。留置針の位置が悪いのか、俺の血液の量が少ないのかはわからないけれど、なかなか採血ができないみたいで、針を留置した部分を引っ張ったり押したりされる。けっこう痛かったりする。この看護師さんは嫌い。痛いもん、だって。

なんか変な気分がする。フラフラするし、妙な吐き気もする。これが薬の副作用なのか、寝不足のせいなのか、はたまた昼飯を食べたあとにすぐ寝てしまったせいなのかはわからないけど、味わったことのない感覚だ。まあ危険な程ではないだろうけど。

19:30夕食。

さっきからの不調で、食欲がない。でも食わないと、なんか言われるから頑張って食った。つうかここの弁当、半分以上が米なんですけど笑。こんな米ばっかり食えねえよw

キングダムを読んだり女友達と連絡とったりしていた。この女友達のこと、正直あんまり好きじゃない。彼女にはしてあげない。なにかと否定的だから。俺の未来を信じてくれる女としか、俺は付き合わない。付き合う理由がない。

仮に誰も俺の未来を信じなくても、俺は信じる。絶対的に信じる。この先に夢を実現した自分がいると信じている。絶対にこれだけは手放さない。

俺は一般的に言われる、立派な人にはならない。自由な生き方を提示する。『早くおじさんになりてぇー』と若者に思わせるほどの、魅力的なおじさんになってやる。

23:00消灯。

今日はとてつもなく眠い。寝ます。おやすみなさい☆

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